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高槻の街へ(後編)

「やまちゃん、今どこにおる?」 金曜日の昼下がり、高槻に行くために前倒しで予定をやり繰りしなくてはならず、会社の仕事に追われて慌てふためく自分に「今日は休日です」みたいな電話がかかってきた。 電話の様子だとすでに高槻にいるのだろう。すでに彼は関西人になっていた。 木曜日の夜から高槻の実家に泊まったらしく、今までにない爽やかな声が携帯から聞こえてくる。 「昼前にじゅんさんに会って昼飯を食いながら状況を話しているんだけど、どうなん、やまちゃんは何時ごろくるの?」 「ちょっと仕事がたて込んでて動けないので、多分夕方前には着くと思うよ」 と言ったのだが、彼は自分の返事を振り切るように 「やまちゃん、やったわ!いまめっちゃ盛り上がってて、今じゅんさんがすみだのジャズフェスに全面的に協力してくれるって言ってくれたわ!待ってるから早くおいで ブツッ(電話が切れる音)」 と言うがまま、一方的に切れた。 ・・・怖い。 いま彼はホームである関西に帰って本来に自分を取り戻したようだ。 野に放たれた野獣のごとくパワーが漲っている彼の姿を想像し悪寒を覚えた。 そもそも彼はどんな人物なのか?今回は彼自身を知るいい旅になりそうだと勝手に想像して、仕事も早々に切り上げ東京駅の新幹線へ向かうのであった。
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