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第16回 横尾忠則【冒険王・横尾忠則】

芝居が好きな人間は一度は憧れた事があるのではないかと思う、横尾氏の作品。今回の展覧会はそんな横尾氏の仕事から絵画作品まで、驚くほどのボリュームの作品を一度に見られる、非常に充実した内容であった。 時間の都合で2時間で回ったのだが、本当にギリギリでもっとゆっくりと時間を取らなかったことを心底後悔した。 横尾氏は「Y字路」の絵を多く描いているのだが、これのもっているエネルギーがすさまじい。吸引力のような力をもっていて、見ている者を吸い込んで、その道の分かれ目で一緒に引き裂いてしまいそうな力である。 Y字路を前にして、右に折れるか左に折れるか、まるで恐いもの見たさみたいな感情がわいて、右も左も気になってしょうがない。そのままどちらへ進むべきか判断出来ず、しかし歩みを緩める事もかなわず、意識は道の中州にある建物へ突っ込む事になる。 学生時代に美術教師が言っていた「彫刻は、それそのものを見るのではなくて、まわりの空間をみなさい」という言葉がしっくりて、今でもその教えに従っているのだが、この「Y字路」のシリーズにも、彫刻と同じような空間を曲げる力があると感じた。 コピーライターの糸井氏との対談の中で、横尾忠則の絵を好きだと感じている人にとっては衝撃的であろう発言が生まれている。それは、「イメージなんかどうでもいいわけ。やっぱり、絵画は技術です。」というものである。 例に漏れず私も本当にショックを受けた。横尾氏の作品と言えば、その描かれているイメージのもつ魅力は、横尾氏が描いてくれる事で我々に伝わる。そしてそれに触れる事で、自己の中にもっているモヤモヤしたものを大先輩に相談したような時のような気持ちを得ていたのだが、それが「どうでもいいもの」だったと言われたら、それはショックである。 と、ここまで考えたところで、その発言自体が横尾氏らしいジョークなのかもしれないと思いあたる。 http://www.1101.com/boukenooooo/index.html 【冒険王・横尾忠則】 日程:2008年4月19日〜6月15日 会場: 世田谷美術館 ほぼ日刊イトイ新聞 冒険王・横尾忠則 http://www.project-nyx.com/ -------- ■かってに観光しよーかい■ http://katteni-kanko.com/
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