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隆ちゃんのおいしい生活 第一回

これは、墨田区を中心に下町のちょっと気の利いた食べ物屋さんをご紹介するブログです。 選ぶ基準は、“小生の勝手”です。自分で食べてみて、なるほどこれは余所さんにご案内してもいいんじゃないかと思ったお店さんの情報です。お店から頼まれるわけでもなく、金品を戴くものでもありません。純粋に、「こりゃぁ旨めぇ」「どうせ食べるなら、あそこに」と思う店だけ載せます。 ただ、舌(味覚)というのは十人十色、ついでに段々育ちます。また、食べたものへの対価も人によって考え方が違います。小生の感覚で、旨いけど高いと思ったら書きませんし、他では味わえないと思えば、多少高くてもいいという場合があります。ですから、感覚の合う方にはこの上なく共感を得られるかもしれませんが、合わないと思ったら全く役に立ちません。 読むは法楽、読まるるは因果。おいしい食事が、ちょっとした憩になりますように。 ************************************* きっちん 浜家 (夜) 北斎通りの一本裏に「きっちん 浜家」はある。 近所のサラリーマンからは、とんかつや生姜焼きがメインのボリュームランチに定評がある。また、OLたちからは、「女人禁制」の店として恐れられている店。 何も女人禁制なのでもないが、昼はいつも混んでいるから、常連は黙々と食べて食べ終わったらさっと出るというお約束になっている。しばしば、ゆっくり食べる女性グループが来ると、店の前の行列が気になるマスターは、つい小言が出ることもあるらしい。 普段は寡黙だから、余計に怖い。 夜は一転、お刺身がメニューの筆頭に来る。昼にはあまり出さない生の魚は、毎日築地に買いに行く。ランチのフライの海老も冷凍は使わない。どれをとっても、手を掛けて作ってあって、美味しいのに、そのあたりは、一切表に出さない。その点はとても頑固。メニューも小さな黒板にチョークで書きつけた品名と値段だけ。“特製”とか“○○鳥を使った”とか勿体ぶった言葉はない。「書いたらどうですか?」と言っても、「それほどのものじゃありませんから」という言葉が返ってくる。 まず、何を注文しても外れない。高級店のようなエンターテインメント性はないけれど、この値段で、こんなに丁寧なものが出てくるのなら、多少席が窮屈でも文句は言えない。 ホッとできる美味をお楽しみください。 私のオススメ:ポテトサラダ、カミカツ、ササミのおろしポン酢、カツサンド、和牛ハヤシ、オムレツ、ビーフシチュー。 夜の予算の目安は、一人3,000-4,000円。 土曜はランチのみ。日・祝定休。 すし義純 (夜) いろいろな意味で、“こんなすし屋はあまり無い”一店である。 評価も極端に分かれるだろう。苦手という人は大抵、“怒られている気がする”“大将が怖い”“言葉使いが荒い”というのだ。 私などは、それを置いても、旨いものがあるから通う。そのうち気性の荒さも調味料になってくる。 ここのランチも評判がいい。特に900円のづけ丼はお値打ちである。ただ、夜はまるっきり違うものが出る。昼はランチ用の材料。夜は夜用。昼間からは想像すらできない極上の味があじわえる。 すし屋を、旬の走りを味合わせる店と旬の旨みを味合わせる店に分けるとすると、義純は後者である。 ここに行ったときには、細かい注文はあまりしない。“旨いもんが食べたい”という。下手な注文をすると、“今は旨くねぇ”と一蹴される。無駄な抵抗はせず、流れに任せ、刺身をつまみ、煮魚か焼き魚を頂いて、にぎりを一通り。 煮魚は絶品、しっかりした煮汁で、さっと煮るため、魚の旨みがとじ込められている。 ただ、1年の内でも、7月、8月はちょっと違う。アワビが解禁になる季節だから、つまみのメインはアワビになる。もちろん、注文しなくても良いのだが、義純のあわびは特別なのである。千葉の白浜に直接大将が買付に行く。だから築地を通るより少なくとも一日新鮮。このアワビを刺身で食べると、これがアワビの本当のうまさだと実感する。海の中で、ひたすら毎日海藻を食べ続けたアワビの姿が目に浮かんでくる。 銀座の名店でもアワビは大抵酒蒸ししたものが出てくる。刺身だと硬かったり、鮮度管理が難しかったりするらしい。是非、お試しを。 ちなみに、大将の気性は荒く見えて、実は気の優しいお人好しである。この点も是非お試しを。 義純で外せないもの:えび、穴子、ウニ、干瓢。季節物:赤貝、カワハギ、トリガイ、煮ハマ。 夜の予算の目安は、一人12,000-15,000円。 土曜はランチのみ。日定休。祝日営業。
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